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【GF「柿とりたい会」連動企画】
野生動物被害管理と地域資源の活用

企画 野生生物保護学会青年部会
担当 1吉田 洋・2中村大輔
1山梨県環境科学研究所・2岐阜大学

<趣旨>

 現在,管理の行き届かない柿や放置された柿の木が,集落内に数多く残されています。これらの柿は,結実するとニホンザルやツキノワグマなどの野生動物を誘引し,被害を拡大させる要因になっています。
 野生動物による被害を防ぎ,人間と野生動物とが「棲み分け」共存するためには,人間の生活圏における誘引物を除去することが重要です。そこで現在,誘引物を除去するために,集落とその周辺にある柿が伐採されています。
 しかし,別の角度から柿をみると,柿は伝統的な食文化の一部であるとともに,里山における秋の景観要素であり潜在的な「資源」といえます。その地域資源を,野生動物被害管理のために消滅させるのは「もったいない」ことかもしれません。
 そこで野生生物保護学会青年部会(グリーンフォーラム)では,獣害対策支援センターと協同で,地域資源を消滅させることなく集落内から野生動物の誘引物を除去するために,「柿とりたい会」を開催し,柿の実の収穫と加工を実施しました。本講演会ではこの「柿とりたい会」に関連する話題を中心にして,「柿とり」の意義や地域資源の活用,社会の未来や野生動物との共存共栄などについて議論をしたいと考えています。

<講演タイトル>

趣旨説明

  1. 野生動物の誘引物としての「柿」とその対策の背景
    吉田 洋(山梨県環境科学研究所)
  2. 食物環境の変動がニホンザルの土地利用に与える影響
    辻 大和(麻布大学)
  3. 「柿とりたい会」の成果と今後の課題
    藤園麻里(獣害対策支援センター)
  4. いる? いらない? 地域社会における「柿」の存在
    中村大輔(岐阜大学)
  5. 総合討論